相談例1への回答

70歳の父に肺がんが見つかりました。
子供として、父の病気とどのように向き合っていけばよいのでしょうか。

 

 相談内容から、お父様はこれまで非常に幸せな人生を歩まれ、健康にもご家庭にも恵まれた環境であることがわかりました。今回がんが発見されたことは、ご本人にとってもご家族にとっても大変な試練ですね。皆様がすぐにその事実を受け入れるのは難しいことだと思います。まずその点を頭にしっかり入れてこれからのことを考えることが重要です。

 現在わかっていることは、肺にがんが見つかり、それが腺癌だということです。これからがんの広がり(これが病期分類の意味です)を確認し、どのような治療が最も適切かを医師は検討しているところです。この段階での医療は標準化されており(一定のやり方が決まっているという意味です)、お父様は治すことを目標にした治療のプログラムが決まります。もちろんこれには、ご本人とご家族の同意が必要です。

 次回の外来の席で、医師からどのようなことを聞けば良いかは重要な問題ですが、ここではポイントだけをお伝えいたします。

 まずがんの進行の程度を確認してください。その程度によって治療方法が違いますので、しっかり聞いてください。

 次に治療方法について詳しく確認してください。どのような治療を行うのか、治療効果はどのくらい期待できるのか、治療に伴う副作用はどのようなものがあるのかなど、しっかり確かめてください。

 最後に重要なこととして、5年生存率を確認してください。最終的にがんから解放されるかどうかの重要なポイントですので、この5年生存率は非常に重要な意味を持っています。

 


相談例2への回答

がん患者が最後まで在宅生活を続けることは、可能ですか?

 

 お母様は「病気を治し、その病から解放される」という道を選択しなかったのですね。
 そのことを平静に受け入れたお母様に、まず敬意を表したいと思います。 そのような状況になっても、選べる道はいくつかあります。
 「自宅で過ごす」というのは、その中の一つの大きな選択肢です。
ただし、この選択肢を選ぶにあたり、大きな問題があります。それは、「がん患者が安心して家で過ごすことなど無理だ」という”在宅医療”に対する誤ったイメージが強いことです。
 しかし、現在は、在宅医療の環境が非常に整っています。しっかりした在宅緩和ケアのチームが関われば、最期まで自宅で過ごすことは十分可能です。
 問題解決の方法は、在宅医療に携わっている医師とまず相談することです。
 お母様の気持ちははっきりしているようですが、在宅ケアが最後まで可能かどうかは、いろいろな角度から検討しなければなりません。相談外来の受診をお勧めいたします。